胎児性別検査問題|数字の錯覚

胎児性別検査問題|数字の錯覚株式投資に役立つ心理学05b612b76793ff792d0296d215505f7e_s

A子さんとB子さんは、ともに妊娠しています。
今日は、事前に胎児の性別がわかるという検査を受けにきました。

1)男児ならば90%の確率でM(male)という回答が出る。しかし、10%の確率でF(female)という誤答が出る。

2)女児ならば70%の確率でFという回答が出る。しかし、30%の確率でMという誤答が出る。

A子さんの結果はMで、B子さんの結果はFでした。
二人の検査結果のうち、より信頼できるのはどちらでしょう?

※生まれてくる男女比は1対1とする

確率・統計の知識不足による罠

この問題では、多くの人がA子さんと答えます。

これは間違いで、私たちが日ごろ確率・統計に馴染みがないために生じる錯覚です。

確かに感覚で考えると、Mという結果が出た方が信頼できそうな気がします。
しかし、論理的思考に従って計算していくと、実際は逆であることがわかるのです。

胎児性別検査問題の解答

75d81b971cf9951b53190d9337ef092a_s

男女比は半々なので、仮に200人の女性が検査を受けた場合。
100人は男児を妊娠していて、100人は女児を妊娠していることになります。

男児を妊娠している100人のうち、90人はMの結果が出ます。
また、女児を妊娠している100人のうち30人は誤答によってMの結果が出ます。

なので、Mの結果を受ける女性の数は
100人×90%+100人×30%=120人になります。

したがって、Mの結果を受けて、男児を妊娠している確率は
90人÷120人=75%となります。

次にFの結果を受けた場合を考えてみましょう。

女児を妊娠している100人のうち、70人はFの結果が出ます。
また、男児を妊娠している100人のうち10人は誤答によってFの結果が出ます。

なので、Fの結果を受ける女性の数は
100人×70%+100人×10%=80人になります。

したがって、Fの結果を受けて、女児を妊娠している確率は
70人÷80人=87.5%となります。

つまり、Fという結果を受けた女性の方が、生まれてくる子供の性別に信頼が持てるのです。

数字の錯覚から抜け出す方法

このような数字の錯覚は、日常生活のありとあらゆる場面で起こり、またセールスのプロなどによって故意に作られる場合もあります。

確率・統計について十分な知識がないと、カモにされる一方です。
ですから、正しい判断を行うためにも、数字の錯覚から抜け出せるようにしましょう。

具体的な方法として、%表記は実数に、実数表記は%に置き換えて考えてみるといいでしょう。

印象が変わることによって、バイアスから逃れ、本質を見抜けるようになります。

確率・統計の問題が出た場合は先入観で判断せずに、まずは疑ってみるという慎重な心構えが大事かもしれませんね。


広告