認知的不協和理論

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年々減少傾向にあるとはいえ、2013年度における男性の喫煙者率は32.2%(女性は10.5%)でした。

男性のおよそ3人に1人がタバコを吸っていることになります。

喫煙は肺がんリスクを高めるだけでなく、体に様々な悪影響を与えることは誰もが知っていることです。
にもかかわらず、どうしてタバコを吸い続けてしまうのでしょうか?

気持ちと行動の矛盾

喫煙者にとって「タバコは健康に悪い」という情報は不愉快なものです。

ここで「タバコを吸っている」という行動と「タバコは健康に悪い」という情報の間に不協和の関係が生まれます。

健康に悪いと知っていながらタバコを吸い続けるのは、落ち着かないですもんね。

このように二つの要素に不協和が起こり、気持ちと行動に矛盾が生じることを認知的不協和といいます。

不協和をなくすには?

心の中に不協和があるのはとても気持ち悪い状態です。

タバコを止めれば不協和は解消されますが、それはなかなか難しい。
なので人はもっと簡単な方法を探します。

認知に修正を加える。
つまり「タバコに害はない」と思えばよいのです。

タバコを吸っている人で、よくこんなことをいう人はいませんか?

「俺のおじいちゃんはタバコを吸ってたけど90歳まで元気だったよ」

都合の悪い情報は避ける

このように人は、自分にとって都合のいい情報だけを集め、自分の都合のいいように解釈します。
そうしないと認知的不協和が起きてしまうからです。

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もう一つ例をあげましょう。

私は熱狂的なプロ野球ファンです。
昨日は自分が応援しているチームが快勝!

あの興奮をもう一度味わうため、スポーツニュースをはしごして勝利の余韻に浸りました。

今日は昨日とは打って変わって、応援しているチームが惨敗…

テレビにスポーツニュースが流れると、無意識のうちにチャンネルを変えていた。

こんな経験、みなさんにもあるんじゃないでしょうか?

自分が応援しているチームが勝ったという情報とは協和の関係にありますが、負けた情報とは不協和の関係にあります。

なので不協和を高めないために、負けたという情報を無意識のうちに避けるようになるのです。

間違いを認める

情報を自分の都合のいいように解釈してばかりでは、適切な判断ができなくなります。

つまり認知的不協和は正しい意思決定を妨げるのです。

認知的不協和は誰にでも起こる心理現象の一つです。
誰もが不愉快な思いはしたくないですから、無意識のうちにラクな方の選択をしてしまうのは仕方ないことかもしれません。

しかし合理的な選択をするためには、「間違いを認める」ということも大事です。

認知的不協和に気づき自分を客観的に見ることで、よりよい意思決定が行えるようになります。


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