事前確率の無視

事前確率の無視株式投資に役立つ心理学d391147032acbf0ed1df1c9f6a911d72_s

ある恐ろしい感染症にかかる確率は1万人に1人といわれています。

あなたがその感染症にかかっているかどうか調べたところ、検査の結果は陽性でした。

検査の信頼性は99%です。
実際にあなたが感染している確率はどのくらいでしょうか?

確率の計算方法

信頼性が99%の検査で陽性だったのだから、気が気じゃないでしょう。

でも絶望に陥ることはありません。
実際に感染している確率は、99%よりは遥かに少ないのです。

そもそもこの感染症にかかる確率は1万人に1人と、非常に低いことを忘れないでください。

対して検査の信頼性は99%ですから、100万人を検査した場合

感染者:100万×1万分の1=100人
非感染者:100万-100=999900人

感染者で陽性と判定された人:100×99%=99人
誤って陽性と判定された人:999900×1%=9999人
となります。

陽性と判定された人は全部で99+9999=10098人ですが、そのうち本当に感染している人は99人なので

99/10098≒1%

つまり、実際に感染している確率は1%程度なのです。

もちろん恐ろしい感染症にかかっているかもしれないというショックはあるでしょうが、検査の判定が間違いである確率の方が遥かに高いのです。

妥当性の錯覚

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【問題】
ロバートはメガネをかけていて、身だしなみのきちんとした男性。

性格は物静かで几帳面。
内向的だが、整理整頓など細かい作業を得意とする。

ロバートの職業は「図書館員」か「セールスマン」のどちらでしょうか?

ロバートの特徴が私たちが持っている図書館員のイメージにぴったり当てはまるので、つい図書館員と答えてしまいがちですが。

アメリカには約18万人の図書館員がいるのに対して、セールスマンは1500万人以上います。

セールスマンの数は図書館員の80倍以上。
つまり、ロバートは図書館員でなくセールスマンである確率の方が圧倒的に高いのです。

このように、経験則やイメージによって根拠のない判断をしてしまうことを妥当性の錯覚といいます。

事前確率と事後確率

上にあげた問題は2つとも、事前確率を無視してしまう例です。

事前確率とはベイズの定理で使われる用語で、事前に知っている確率分布をいいます。
例えばサイコロの目を当てれる確率は六分の一です。

これに「サイコロの目は奇数」という情報が加わると、確率は三分の一になります。
このように後から修正された確率を、事後確率といいます。

航空機の墜落事故が起きるとニュースで大きく取り上げられるため、多くの人が飛行機に乗るのを怖いと感じるようになります。

しかし、これも事前確率を無視した直感的な考えといえます。
飛行機が落ちる確率は100万分の1以下と、事前確率はとても低いのですから。


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