たとえば歪みのない(表と裏の出る確率が等しい)コインを投げたとき。
表表裏裏表表裏裏表表裏
こんな結果になったとしましょう。
すると多くの人が「次は裏が出る」と予想します。
このように人は、偶然の出来事に規則性を見出す傾向があります。
自分にとって都合のよいことは過大評価し、悪いことは過小評価する。
このような自信過剰も行き過ぎると、次第には運命さえもコントロールできるような錯覚に陥ることがあります。
これを支配の錯覚(マジカルシンキング)といいます。
行動経済学では、もともと人間は自信過剰気味の生き物であると考えています。
なので偶然に偏ったコイントスの結果を見たときに、本当は存在しない規則性を見出そうとするのは、ごく自然なことといえるかもしれません。
だって私は洞察力に優れた賢い人間なのだから。
そういう人にとっては、次に出るコインの目はたやすく当てることができると感じるのでしょうね。
先にあげたようなコイントスの場合、次に出る目は前回の結果に影響されません。
これを独立試行の確率といいますが、コインの表と裏の出る確率は常に2分の1です。
※偏りのないコイン、意図的に目を狙えないのが前提条件
にもかかわらず、ときに偶然で表(裏)が連続することがあります。
統計用語で同じ項の続きを「連」(ラン)といいますが、私たちが思っている以上に長いランは起きるものです。
たとえば表が4回連続する確率は16分の1(6.25%)ですから、珍しいことでも何でもありません。
コイントスやサイコロ、パソコンで発生させた乱数などは、一切規則性を持たない完全確率です。
ゆえに未来を予測することは不可能。
でもそこに人間の心理が絡むとどうなるでしょう?
よくスポーツで「今のプレーは流れを変えた」とか「今日は波に乗っている」などといわれることがあります。
実はこの現象を確かめるために、こんな実験が行われました。
バスケットボールで一人の選手が10連続でシュートを決めたような状態、いわゆる「波に乗っている」とき。
次のシュートも成功する確率は高いのでしょうか?
データから分析した結果は、過去のシュート成功率と等しいということが示されました。
つまりは、統計学的に「波に乗る」という現象は存在しなかったのです。
しかし、この結果が公表されても多くの選手やコーチ、ファンは納得しませんでした。
私も納得していない一人です(笑)
私は人間が行うことで、完全にランダムなものは存在しないと考えています。
波乗りの例は統計学的には棄却されましたが、選手の体調や心理状態が一定でないことを考えると、シュートの成功率は完全確率とは程遠いはずです。
もちろん選手個人の要因だけでなく、他のチームメイトの状態や敵チームの強さのレベルなど様々な要因が複雑に絡まるので、その時々のシュート成功率を正確に導き出すのは不可能といえるでしょう。
同じように、株価の予測も繰り返し議論され続けてきました。
古典的なファイナンス理論である効率的市場仮説では、市場は効率的なので市場に打ち勝つことはできない。
株価の動きは酔っ払いの足取りのように、ランダムに近いものとされていました。
しかし研究が進むにつれ、市場には非効率的な面が存在し、そこを狙えば市場に打ち勝つことができるという説が有力になりました。
実際にクオンツと呼ばれる数量的な分析を用いたトレーダーたちが、市場平均を大幅に上回る成績を残すことに成功しているのです。
つまり株式市場においては僅かながらとはいえ、ランダムの中の規則性が存在するといえるでしょう。
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