相場(マーケット)においてアノマリーとは、合理的な説明はできないけれどよく当たる(と思われる)経験則のことをいいます。
よく耳にするのがX月は株安になり、Y月は株高になるといった季節性のアノマリーです。
他にも面白いものでは、ジブリ映画が放映された日は為替やNY市場が荒れるというアノマリーが有名です。
ただこれにはカラクリがあって、ジブリ映画が放送されるのは月の第一金曜日、雇用統計の発表と重なることが多いからです。
ですから、すべてのアノマリーがただ単に偶然のものとはいえません。
ジブリの日のように裏付けがあるものが多いです。
ただし、そのほとんどは合理的な説明ができません。
季節性のアノマリーに話を戻すと、節分天井彼岸底という有名な相場の格言があります。
これは株価は節分に天井を打ち、彼岸に底を打ちやすいという意味です。
実は過去検証をしてみるとデータ上からはこのような現象は見られないのですが、人々の印象に強く残っていたためにこの格言が生まれたのでしょう。
節分天井彼岸底の根拠としては、新年度相場で買われた株が2月に売られ、3月に再び買われるというものと。
決算期の要因が絡んでいるといわれています。
根拠としては合理性に欠けますが、多くの人がそう思うのならば格言のように株価が動くこともあるでしょう。
投資家の心理によって株価がトレンドを形成することはあるのですから。
一度形成されたトレンドは横並び行動によって強化されていきます。
こうなると相場が過熱していき、バブル相場に発展することもあります。
なので、モメンタム戦略ではアノマリーを利用したものも多いです。
その現象が理論的に正しいか正しくないかではなく、今実際に起こっている出来事に着目します。
極端に言えば、その株が”上がるから買う、買うから上がる”のです。
もちろん、アノマリーの根拠も必要です。
理論的な裏付けがないと、少しの損失を出しただけでも疑心暗鬼になってしまうので、実運用することは難しいでしょう。
アノマリーの裏付けとして、機関投資家の思考・行動原理を知っておくと収益につなげやすくなるかもしれません。
彼らが買わざる(売らざる)得ない状況を、収益の機会にするのです。
巨額な資金を運用する機関投資が、常に合理的な行動をとっているわけではないので、株価は非効率的になり収益の機会が生まれます。
機関投資家の行動様式はなかなか変わるものではないので、研究の価値は大いにあると思います。
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